富士山寄生火山 小天狗塚、アザミ塚 2009年10月04日

所要時間 登山口−0:14−御胎内−0:24−一合五勺−0:10−幕岩−0:41−小天狗塚−0:25−一合五勺−0:08−アザミ塚−0:25−御胎内−0:10−登山口



 今週末は土曜日が雨のち曇り、日曜日が晴れで、土曜日の雨が上がるのは昼間くらいとのことで、朝方から動くのは無理そうだ(DJFのように雨を覚悟なら問題ないが)。それに雨が上がってしばらくは藪が濡れたままなので、結局は土曜日は午後遅くじゃないと藪に突っ込むのはイヤだなぁ。というわけで日曜日に動くことにしたが、木曜日に山に行ったばかりだし、月曜日の仕事に差し障りが無いよう軽い山にしておく必要があるだろう。いろいろ考えた結果、久しぶりに富士山寄生火山に向かうことにした。地形図記載の山は自衛隊演習場内を除いて登り終わったはずだが、山名事典記載の山がいくつかあり、標高も適度で東京から遠くなく、適度な山といえよう。

この案内標識が目印 駐車スペースがある

 土曜夕方に東京を出発、河口湖ICで下りて山中湖周りで富士宮に向かう。もう晴れているかと思ったら山中湖では雨が落ちてきて、富士山を登っていくとガスに突っ込んだ。これでは明日も藪が濡れているかなぁ・・・。須山御胎内祠の案内がある林道入口で仮眠、この時期は走り屋が出没する可能性が高く、うるさくて快適に眠れない可能性を考えたがその通りで、目の前の道路でガンガン飛ばしているわけではなかったが、現場へのアプローチとして使われるようで頻繁にうるさい車が行き来していた。

 翌朝、夜明け前に起きて空を見上げたが星は見えず、明るくなるまでは曇りの程度は分からない。飯を食って出発する頃には薄いガスの中にいることが判明、こりゃ、藪は濡れているなぁ。地形図の植生では小天狗塚は砂礫帯なので藪で濡れる心配はなさそうだが、アザミ塚は藪だろうなぁ。まあ、登山道からさほど距離が無いので長時間の藪漕ぎは無いだろうけど、短距離でも濡れた藪に突っ込む場合はゴアは必要だ。今回はアタックザックにゴア、長袖シャツ、水、フリースを突っ込んで出発した。

周囲は笹の海 シラビソ植林帯もある

 しばらくは林道(それとも廃林道?)を登っていく。このルートはほとんど歩く人はいないと思うが良く整備され荒れた感じは無く、気持ちよく高度を上げていく。周囲は広葉樹林と笹の海で、林道が無ければ最初から藪漕ぎだから、林道のありがたみが大きい。左方向(西側)にはどこに行くのかわからないが、刈り払われた作業道らしき道がいくつも分岐し、獣道もいくつも見られた。林道にはドングリが落ちており、熊も食べに出てきそうな雰囲気だ。毎度のごとく鈴をぶら下げているので大丈夫だろうけど。熊より鹿の方が多く、警戒の鳴き声は多く聞かれたし、逃げていくお尻の白い毛も見えた。

御胎内祠分岐 最初の溶岩トンネル
溶岩トンネル間の鳥居 奥の溶岩トンネル。ライトが必要

 やがて左に御胎内祠の案内が現れ、林道を離れてそちらに向かう。林道からほとんど離れない場所に浅いトンネルが出現、これが溶岩トンネルなのだろうか。以前は1本につながった長いトンネルだったのかもしれないが、今は大きく2つに分かれ、下部のトンネルは中央付近で天井が陥没して短い2つに分かれていた。以前は建物があったようで平地があったが、今は鳥居が立つだけで建物は無い。

幕岩の案内に従う 廃林道?が続く

 ここを過ぎると登山道が分岐し、左に水平に延びるのは水ヶ塚駐車場方面に向かうもので、さらに上に延びる廃林道のような広い道が幕岩経由で小天狗塚方面へと続く登山道だ。今の時代では歩く人は稀だと思うが、草が生い茂ることもなく非常によく手入れされたルートだった。落葉広葉樹林がメインだが、場所によってはシラビソの植林帯もあった。自然林でも笹が切れて歩きやすそうな斜面が見える個所もあった。

尾根が顕著になる アザミ塚分岐の一合五勺

 尾根が顕著になり、右手に谷が深くなってくると幕岩分岐が近い。その少し手前で鳥獣保護区の赤い看板が出現し、少し離れた左手にベンチが設置されている場所があるが、直進方向には行き先案内が書かれているがベンチ方面には何もないので道があるとは思わなかったが、ここがアサミ塚北鞍部を通る道の分岐だったのは帰りに判明する。

幕岩分岐。小天狗塚は御殿庭方面 正面が幕岩。ちょっと期待外れの高さ・・・

 なおも登ると幕岩分岐に到着、ここでまじめに地図を見ればよかったものを、思い込みで幕岩経由で上部に登山道があるものと考えて幕岩へと向かった。谷へとジグザグに下って火山礫の谷に下りると、谷の上流方面は大した高さではないが溶岩の崖になっていた。水が流れていれば滝になるのだろうが、この標高だと山肌は富士山の火山灰に覆われて雨は地下にしみ込んでしまって全く水はないし、水が流れた形跡も無かった。

 この先に登山道が続いているのかと思って対岸に出て踏跡を探したが見当たらず、ここで初めて地図を出して眺めてみると、先ほどの幕岩分岐でこの谷に下りないで右岸をそのまま上がっていくのが正解だった。しょうがないので同じ道で戻り、今度は分岐から二ッ塚方面に登っていく。少し登ると二ッ塚方面と新五合目方面に分岐、ここでもまじめに地図を見ればよかったのだが、またもや思い込みで二ッ塚方面に進んでしまった。新五合目方面のことを水ヶ塚と勘違いしていたのだった・・・。何かこの日は調子が出ない。

幕岩上流の谷を越え砂礫帯を登る 富士山がすっきり
唐松植林帯を横断 正面のピークが小天狗塚

 少し登ると砂礫帯の谷を越えて対岸の砂礫の斜面を登っていく。この付近が森林限界のようで、富士山がデカデカと見えている。そして右手にこんもりとした二ッ塚の姿が。ここでGPSの電源を入れて小天狗塚の場所を確認すると西方で、方位磁石で調べると進行方向に対して直角に左ではないか。そう、この道はまっすぐ二ッ塚へと向かっており、登りに使うと考えていた道ではなかったのだ。このまま登っても道はつながっているので小天狗塚には登れるが遠回りになるので、ルートを外れて左に進んでいく。砂礫地帯に薄いカラマツ植林帯が広がり、笹や潅木藪が無いのでどこでも歩きたい放題で、正面に見えているなだらかなピークに向かって歩いていく。

登山道に出る 唐松植林帯を登る
小天狗塚山頂 山頂付近の唐松は東にのみ枝を伸ばしていた

 いくつか砂礫の谷を越えていくと、植林帯の中に登山道が出現、これが本来歩くべき登山道だ。砂礫と比べて地面が硬い登山道は非常に歩きやすい。やがて植林帯を出て開けた砂礫帯に出ると二ッ塚方面からの登山道と合流し、左に曲がって再びカラマツ植林帯を登るようになる。緩やかに登っていくに従って風が出てきて体感温度が落ちてきて腕カバーを付けた。植林の森林限界点が小天狗塚の鞍部で、砂礫帯の広い稜線が山頂へと続いていた。ここからだと標高差はほとんど無いのでピークというより広い肩のような場所だ。適当に砂礫を歩いてだだっ広い山頂へ。標石の周囲に岩を積んだケルンが山頂らしさを物語る物体であった。ここは冬の季節風が猛烈なようで、全てのカラマツが東方向に枝が伸びていた。

唐松植林帯にあった標識 アザミ塚分岐は一合五勺

 これで目的の一つは登れたので、次はアザミ塚に向かう。登りでは地図に出ているアザミ塚の北鞍部を通る登山道の分岐は分からなかったので、ここで高度計を校正して高度を見ながら下ることにする。二ッ塚方面分岐で右に曲がり唐松植林帯を下っていると「御殿庭」の標識が目に入ったが、なぜにして庭なのか不明。どう見てもこれは人工林だよなぁ・・・・。なおも下って幕岩分岐を通過、少し離れた場所にベンチがあった場所付近が地形図にあるアザミ塚分岐の標高だが、やっぱりここには須山下山歩道の案内しかない。でもよく見るとベンチの先にも明らかな道があり、地形図表記のとおり等高線に沿って水平に巻いているようで、この道に間違いないようだ。須山下山歩道の案内標識をよ〜く見ると棒の部分に現在位置の「一合五勺」と書かれていた。おお、やっぱりここでいいんだな。

廃林道らしき広い道 アザミ塚北西鞍部

 この道も廃林道のようで広い道で、傾斜がほとんど無いので楽々歩きだ。今のところ斜面に笹は見られず、この状況が続くならアザミ塚も笹藪はなさそうだ。周囲は背の高い樹林なので展望は無く、どこにアザミ塚があるのか見えないし、アザミ塚に気づかずに通過してしまうのではないかと心配になったりする。しかし林道を進んでいくと今まで下り斜面だった左手に明らかな高まりが出現し、ここがアザミ塚の北西鞍部だった。ここも笹はなく、山頂へと続く稜線上は倒木が見られるだけで藪漕ぎはなさそうだ。

山頂へと向かう アザミ塚山頂

 倒木を避けつつ稜線を行くと薄い鹿道が現れたが、これだけ藪が無いと鹿道のありがたみはほとんどない。少し草が生えるだけでどこでも好き勝手に歩ける状態で、広い稜線なので登りはいいが下りは方向に要注意だ。緩く登ると広く平坦な山頂に到着、ここが最高地点だという明確な場所は無く、適当な木に赤テープを巻いて落書きをしようとしたらなんとマジック(正確にはペイントマーカー)が無い! 最後に使ったのはシルバーウィークに登った南仙人山なので、たぶんそこで落としたのだろう。どなたか南仙人山に行く人がいてもしペンが落ちていたらゴミになってしまうので拾って下さい。 というわけで書くものがないのでテープだけ巻いておいた。

 登山道に戻り、須山下山歩道に合流して駐車場まで戻った。

 

 

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